2018年10月28日:社員のモチベーションの源泉は?

こんにちは。

株式会社シグマライズ、社長の斎藤です。

企業の人事や労務に携わる中で、どうやったら社員のモチベーションを上げ、高く維持していくことができるのか、質問を受けることが有ります。

個人的には、社員のモチベーションの源泉は、2つあると考えていて、1つは「報酬」、2つ目は「やりがい」だと考えています。

「報酬」の設定に関して考えるべき点は大きく2つあり、1つ目は社員自身が希望する生活水準を維持するのに必要な報酬が支払われているか、2つ目は会社の中で正当に評価されて報酬が支払われていると感じられるか。になります。

1つ目は報酬の絶対額に着目することになります。2つ目は報酬の組織の中での相対額に着目することになります。どちらも達成できているのであれば、「報酬」に関する制度は良くできていると考えられます。

「やりがい」に関して考えるべき点は大きく2つあり、1つ目は企業が目指していること、取り組んでいることに意味があると思えるか、2つ目は、自分の仕事自体が面白いと思えるか。になります。

1つ目は自分が属している企業が企業全体として取り組んでいることを意味あることだと感じ、興味が持てるかに着目することなります。2つ目は自分の個の仕事の取り組みが意味あることだと感じ、面白いと思えるか。に着目することになります。どちらも達成できているのであれば「やりがい」に関する制度は良く出来ていると考えられます。

【モチベーションの源泉】
「報酬」①絶対額としての報酬 ②相対額としての報酬
「やりがい」①組織全体の取り組み ②個人の取り組み

上記4項目に関する仕組みが適切に設定できれば、その企業は社員のモチベーションを上げ、維持することがしやすいと考えています。ただ、まずは取り組みやすいところから取り組むのが良いと思います。

例えば、「やりがい」①の組織全体の取り組み、を社員に知らせる機会が無い会社であれば、企業理念やビジョン、長期的な方針などを明確にしてみることで、社員のモチベーションに貢献する可能性があります。「報酬」②の相対額としての報酬については、報酬に関する明確なルールが無いのであれば、ルール作りをするのも良いかもしれません。

先日、『モチベーション3.0』という本を読みました。

その本には、企業組織で用いられている「飴と鞭」の評価方法は時に社員のモチベーションを低下させることがあると科学的に分かってきているということが書かれていました。ビジネスが複雑化する中で、社員が自律的に行動をする組織が求められており、そのような組織には「飴と鞭」方式の社員管理法は効果が薄いだけでなく、逆効果になってしまうことがある。ということです。

(引用開始)
「ある活動に対する外的な報酬として金銭が用いられる場合、被験者はその活動自体に本心からの興味を失う」と、デシは述べている。報酬によって、人のやる気を短期間起こさせることは可能だ—-ちょうど、カフェインの刺激によって、人のやる気を短期間起こさせるように。だが、報酬の効果は次第に弱まる。それだけではない。そのプロジェクトを続けるために必要な長期的なモチベーションが失われるおそれもある。
(引用終了)

お金を支払われたとたんに、興味を持って取り組んでいた事が、お金のためにやっていることに感じられて、興味を失ってしまう。ということが実際にあるようです。また、何かしらの行動に対して金銭的な報酬が設定された場合。お金はいらないから、その行動自体もしない。と考えてしまうこともあります。

どちらも言われてみれば、そういう気持ちを経験したことがある方は多いのではないでしょうか。

社員のモチベーションを上げたい。と考えている企業は、従来型の「飴と鞭」方式が有効か、モチベーション3.0に書かれている新しい方式が有効か、一度、この本を読んで考えてみると良いと思います。

また、自分自身のモチベーションを上げたいと考えている方については、この本を読むと、科学的に明らかになっているモチベーションの源泉に対する理解が深まるのではないでしょうか。

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